Game of Thrones Season 8 ネタバレ感想

2020/09/07

長いこと6で視聴止まってた #GOT、完走した人全員に「そこでやめておけ」と言われてたんだけど、如何に評判が悪かろうとここまで来て結末を見ずに終われるかと年始に7完走、ついこの間8を観終わった。8は作り直しを要求する署名が190万届きそうな勢いで不評なんだけど、個人的にはドラマ観てなくてあらすじと結末だけ読んでたらなかなかよくできたお話なんだなと納得できたと思う。

散々語られているけど、何がダメだったかって、結末を急ぎすぎてプロットそのまま映像化しただけにしか見えないところ。肉付けが全く出来てない。HBO はファイナルシーズンに10話の枠をオファーしてたんですと。なのに D&D が6話って決めたらしくて。おかげでこの様ですよ。とにかく早く終わらせたかったらしい?

VS 夜の王

なんであんな蹴散らしてくれと言わんばかりに城外に貴重な兵士たち並べてんだ。ドスラキに至ってはドラゴングラスすら装備してなくて、どうやってホワイトウォーカー倒すの。なんのために城壁はあるんだ。ワイトは夜の王倒さない限り無限に供給され続けるのに正面からぶつかるって愚策にもほどがある。不死身の軍団相手に戦闘能力の高い個人らを最前線に配置して、囮のブランの護衛がシオンとモブ兵士だけ? は? そりゃ死んじゃうよねシオン。夜の王は後ろから叫びながら(暗殺者とは)飛んできた(文字通り)アリアに気づいていたのに一撃で殺さない。慢心我様ですか? あれだけ絶望的なまでに追い詰められ死傷者甚大にも関わらず、最前線にいた主要人物ほぼ全員無傷で生還の茶番。唯一死んだ名のあるキャラ2名のうちジョラーはまだ恵まれていた方で、シオンが無駄死にでただただ不憫。せめて彼の命を賭した一撃で生まれた一瞬の隙をついてジョンが夜の王を倒す展開だったなら名誉挽回して死ねたのに。戦闘能力の高い個人複数人をブランの周りに固めて、ジョン&デナーリスがドラゴンから大群を蹴散らし、残りのメンバーは籠城して火矢や以前に壁で作ってた樽爆弾(?)でドラゴンの炎をすり抜けたやつらを迎え撃てばよかったのでは? こうしてラストバトルを飾ると思われていたホワイトウォーカーとの戦いはスペクタクルな映像を撮るために陳腐化され、そのドヤ顔で仕上げたと思われる映像すら暗すぎてなにがなんだか分からないまま、以降誰にも言及されることなくシーズンの前半で幕を閉じた。…That’s it? Seriously?

VS サーセイ

ドラゴンストーンに向かう一行。ユーロンの急襲に遭い、ドラゴンの一頭であるレイガルがスコーピオンの矢に沈むのだけど、これがまた無理やりすぎる。その隣を同じような高度でドロンゴに跨って飛んでいたデナーリス、艦隊に気づかなかったの? 百歩譲って疲労を押しての遠征であった、まだかなり遠かったことを理由に挙げたとしても、それならあの距離から(ユーロン視点ではまだ豆粒大の大きさだったドラゴンに)3本射って3本とも命中させるスコーピオンの精度とユーロンの射手としての能力が恐ろしく高いことになる。んで、そういうことにすると今度はその超有能であったはずのユーロン艦隊がドロゴン&デナーリスにあっさり壊滅させられるっておかしいやないかーいってなる。せめてこのコンビの登場が闇夜に紛れてだったり、嵐の中の奇襲だったならまだ理解できたんだけど、レイガル墜とした前回同様、晴れた日の昼下がりに真正面からバビューンとやってきたんだよ。なんで一本も当てらんねーんだよスコーピオン。怒りのドロゴン&デナーリスそのまま無傷で海上突破、市街地突っ込んできて出オチのゴールデンカンパニーを味方もろともも吹っ飛ばして、いやもうこの時点でドラスキもアンサリッドも要らない子。サーセイはまさかの無策で窓から眺めているだけ。なにこれ?

脚本都合で動かされるキャラクターたち

映画並みに壮大なスケールの映像美に目を奪われがちだけど、ゲームオブスローンズの魅力は複雑な人間関係が織りなす人間ドラマですよね。どの登場人物も単純に善悪で割り切れる使いやすいストーリーの駒ではなく、それぞれの思惑、正義があり、それによって動かされる物語であったはずなのに、シーズン6辺りから目指す結末&魅せたい映像優先でキャラクターがパーソナリティを失い、ストーリーに都合のいい駒と化す。

馬鹿正直すぎるジョン

あーはいはい、ジョンはネッドを尊敬していて常に正直で誠実であることが信念としてあったんでしょう。しかし、そのネッドですら死ぬまでジョンの出生の秘密は守り通したわけですよ。ジョンのために。愛する人の守りたかったものを守るために。ロバートの遺言記録する時も「ジョフリー」って書かずに「正当な後継者」に変えたんですよ文言を。国のために。友のために(ジョフリーはロバートの息子じゃないって証拠が出たから)。臨機応変に。なのにジョン……お前……。ジョンが本当にデナーリスを愛していて、自分でなくデナーリスを女王にすると決めたなら、ジョンも自分の出生の秘密など墓まで持って行くべきだったんですよ。

唐突に軽率な行動を取り始めるヴァリス

求心力を失いつつあり、猜疑心から孤立し制御不可能になりつつあるデナーリス VS 北部を筆頭にウェスタロスで圧倒的な支持を得ているジョン。ジョンが正統な王位継承権を持っていると知ったヴァリスがどっち選ぶって後者に決まっている。彼のイデオロギーからもデナーリスを裏切るのは当然の帰結。ただ、石橋を叩いて叩いて壊して自ら架け直した橋しか渡らんようなヴァリスさんが、根回しが完了する前に・退路も確保せず・誰が聞いててもおかしくないような場所で・大声でティリオンやジョンを説得しだすのは明らかにおかしい。最後の台詞だけ聞けばヴァリスは自分の信念を貫いて殺されたと言えるが、そこに至るまでがもはや別人だった。

Love is the death of duty 側においやられるティリオン

デナーリスの王の手になった辺りまではまだティリオンが一番好きなキャラだったんですよ。シェイの件が引っかかってたけど、原作ではシェイはただのタイウィンの手先だったらしいので、ドラマはティリオンを「またも掌で踊らされたおバカさん」にしないための改変なんだなと好意的に解釈。サーセイに対する考えの甘さは自分の人生を救ってくれたジェイミーに由来するし、国家に対する思想がヴァリスほど徹底しておらず、知的でユーモラスで、社会的正義と人間関係のはざまで揺らぐ人間味のあるキャラクターが好きだった。が、ジョンの出生を知った後もデナーリスの言動の危うさから目をそらし、希望的観測のみで命の恩人でもある友人がドラカリスされるのを積極的に許容。誰だこれ?

ハウンドとアリア ~肩透かしのバディ~

あの二人がウィンターフェルこっそり抜け出して共にキングスランディングを目指す展開に胸を躍らせた人は多かったはず。なのにーなーぜー。二人が共闘してハウンドが兄・マウンテンを、アリアが殺すリスト最上位のサーセイを、とどめを刺すまでは行かなくても追い詰めるくらいには肉迫してほしかった。あんな説得で引き返せるような道はすでに歩んでないだろうアリア。ここまででどれだけ殺してきたんだよ。人肉でパイ作って身内に食わせちゃう程度には実力を兼ね備えた冷酷な暗殺者として仕上がってたのに、壮大なセットが無慈悲に破壊されて行く様を視聴者に見せたいがためだけに逃げ惑う無力な一般人にまで落とされる。しかも絶対に死なないお墨付きがあるせいで、どんだけ爆発で吹っ飛ばされようが血を流そうが全く心が動かされない。アリアに無理やり連れだされて離れ離れで死んだ親子がかわいそう。意味ありげに出てきた白馬も結局なんの意味もなかったし。あとマウンテン。あれだけやって急所ぶっ刺されまくって死ななかったのに、塔から瓦礫と一緒に崩れ落ちたくらいで死なないでしょ。死んだみたいだけどさ。

Love is the death of duty の体現者ジェイミー

7シーズンかけて人間的に一番成長し、ブライエニーと結ばれたかと思われたジェイミーさんは結局サーセイの元へ。個人的にはこういう徹頭徹尾ひとりに執着し続けそのひとりのために全てを敵に回せる人は、現実ではお近づきになりたくないし、自分が絶対にならないしなれないしなりたいとも思わない存在が故にイライラするんだけど、同時に淡い憧憬のような相反する感情を抱いてしまうのですよ。まあそんな私の個人的な性癖はさておき、実際は製作者側の「二人は一緒に産まれたので死ぬ時も一緒」とかいうくだらない筋書きのために人間的成長をなかったことにされてしまった悲しき駒。しかもそれによってサーセイが報われすぎだし。騎士となり王の盾のとなったブライエニーがジェイミーのページに記録するところはとてもよかったが、とある「ゲームオブスローンズファイナルシーズンの何が悪かったか」解説動画でブライエニーが追記した後「インクが乾く前に本を閉じている!!」という突っ込みを見てしまって以来、いいシーンなのに笑ってしまうw

中途半端に狂王化されせられるデナーリス

火種となったイベントはいくつもありましたよ確かに。遠路はるばる加勢にきてやったのに自分を敬わない北部の人間たち、ホワイトウォーカーとの戦いで忠臣ジョラーを失ったデナーリスとは対照的に、スタークたちは家族の絆をさらに強め、アウェイ感マシマシ。黙ってりゃ波風立てずに済むのにわざわざ自分より継承順位の高い正統な後継者であることを告げてくる愚直な臣下兼恋人。これが北部全体に広まれば人々は当然ジョンを王に推すから黙っててほしいとお願いするも「家族には言う」と断られ、したたかに成長したサンサはなんの躊躇もなくそれをティリオンに伝え、ティリオンはデナーリスに報告する前にヴァリスに相談するありさま。誰も心から信用できないまま、勇み足で2頭目のドラゴンを失い、親友ミサンディをも殺される。

でもさ、

この時点でデナーリスが恨んでいるのはサーセイ一人。戦争もサーセイ一人殺せば終わる。味方が信用できなくたって一人(と一匹)でレッドキープ正面突破できるんですよ。なのに、それをせずにこれから自分が治める領地と一般市民を焼き払う動機はさすがになくないか? サーセイは一般市民など肉の盾としか思っていないのだからサーセイに対する攻撃としては全く意味をなさない。一般市民への被害を最小限にとどめてサーセイを討てばキングスランディングの住民もデナーリスを新たなる女王として喜んで受け入れただろうに。市街地を火の海にするなら、そこまで追い詰められてしまったデナーリスの心の内をもっと丁寧に描写すべきだった。

でもね?

それらを納得できる形で事前に提示できていたとして、そうすると今度は最後のシーンがおかしくなる。アンサリッドの蛮行を止めるよう説得しに来たジョンに失望した顔を向け素通りしてったじゃないですかデナーリスさん。あれだけ街を蹂躙してキングスランディングの住民から支持を得られないのは明白、あの演説は絶対的力を持った孤高の女王として君臨する決意表明であり、それに異を唱えたティリオンは反逆者として拘束、自分を理解しようとしない愛する男にも見切りをつけ、新たなる狂王ここに誕生、って思うよね? なのにティリオンに説得されたジョンが向かった〈鉄の玉座〉前でのデナーリスさん、ジョンを見るや否や別人のように満面の笑みを浮かべ、自分の行いを諫めながら近付いてくるジョンに無警戒で抱き着くってどういうこと。ジョンがさっきとは打って変わってデナーリスの言い分に寄り添ったアプローチで近付いて行ったならまだ分かるけど、ジョンはずっとデナーリスを否定し続けてるのに、戦争終わったのに帯剣したままのジョンに、ど う し て 抱 き 着 い た 狂 王 よ。〈鉄の玉座〉を前にアドレナリン大放出で急に脳内お花畑になったんですか? ジョンを信用しきれなくてあの凶行に至ったことをお忘れで? 必ず最後に愛は勝つとでも思ったんですか?

「人間しょせんそんなもん」とか言いたいのかもしれないけど、ここまで巨大な風呂敷広げたドラマの最終章で「そんなもん」を視聴者は求めていないのだよ。ドラゴンが母殺しの相手でなく〈鉄の玉座〉溶かして面倒な亡骸処分よろしくデナーリス抱えて飛んでいくのも残り時間で話をまとめるためだけにやらせた感しかない。ドラゴンは象徴を理解できるほど賢いんですよー。ジョンはターガリエンだから殺さないであげたんだよーってか? デナーリスが狂王化し、それを止めるため涙ながらにジョンが愛する人を手にかける、その結末自体は悪くなかったと思うけど、そこまでの道程に不自然で不可解なところが多すぎて、デナーリスファンが発狂するのは無理もないよねっていう。

エピローグ

ジョンの壁送りはいいチョイスだったと思う。「誰も満足しない=いい妥協案」この考え方好き。ホワイトウォーカーいないのにナイツウォッチなにするんだって突っ込みをよく見るけど、役割を終えた場所にジョンを送り込む=実質解放お疲れさんってことなんじゃないの。

民主主義をチラつかせたサムの発言からも身体障碍者の王と王の手、女性の北部王と王の盾が誕生したことは好ましい結末かと(だから「大筋では」納得できた)。楽しそうなカウンシルもよろし。

ローンの仕組みも知らないブロン: Master of Coin

過去現在未来どこでも見通せるブラン「Master of War と Master of Whisperers も要るね」

製作者の狙い通り全視聴者がツッコんだであろう。ガッデム!!


「あ、これも!」「あれ忘れてた!」と追記に追記を重ねて下書きに入れたまま、このエントリ書くのにすでに3日も費やしてしまってて、ほんとキリがないので、この辺で終わります。

ドラマとは別の結末を期待して今頑張って原書を読んでるんだけど、6巻が出るまでに5巻まで読み終えられるだろうか。。